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音無しに抜く意味と難しさを考える
抜刀勢法について
先ず考えなくてはならないのが「なぜ抜刀するのか?」という事です。
抜刀・居合を行っている剣術家は、ただ漠然と抜刀する訳では無いと言う事です。
もし、理由もなく抜刀していると言うのであれば辞めたほうが良い
抜刀するには必ず理由があるはず、その理由によって心構えが決まり「抜く形」が決まるんですね!
他流についてはわかりませんが、円空流では剣術も僅かですがあります。
その僅かな本数の中でも、譲れない動作があります。
それは音無の抜きと呼ばれるもので、抜刀する際に音を立ててはいけないというもので、『そんなのは考えたこともない』、『音なんか気にしてたら抜けいないよ』などと云われるのを承知で述べさせていただきます。
先にも述べたように他流については述べていませんし、私の知るところではありませんのでご了承願いたい。
円空流は、『抜刀は縦抜きで行う』、となっています。
ですから、横抜きを行う流派の口伝や所作については全くわかりませんし、講釈を述べることも出来ません。
私どもでは、まず鞘成りに抜くことを心がけ、峰走りで起こる音(シャー)、刀が抜ける際にひねりからくるエッチング音(チッ!)、刀身が鞘の中で左右に触れる音(シャリシャリ・ガタカタ)などは忌音(イミネ)として嫌っています。
この音というのは本人はあまり気にならないものですが、隣で抜いていますとよく聞こえますし、かなり気になるものです。
いくら抜くのが早くても、これらの音がしては円空流の抜刀の意味から外れてしまいますので注意が必要であり、また抜刀が鞘に対して真直に抜けていない証拠でもあります。
実際に二本挿して抜いてみますと、鞘を横に振ったりする事が如何に難しいか、その為かも知れませんが縦抜刀になったのではないでしょうか。
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実際に稽古場での抜刀は、足音と樋の音しかありませんので静かですよ~!
話し声や他所の使用者の音は別として、ほとんど無音に近く只ひたすら抜く訳ですから、他の人から見たら太極拳や動禅みたいなものに見えるかも知れません。
ちなみに、足音も実はほとんどしません。
摺り足だからと言っても実際には畳を摺るわけではないので、畳を擦る音や、床板を擦る音等もありません。
衣擦れと刀身を振り下ろすときの樋の音、吐息の音、そして納刀時の鍔鳴り音くらいでしょうか。
ただし、足の音は当然しますよ、但し、ヒタ・ヒタッ!とかヒタ・キュッ!などですか足袋を履いている場合は殆しませんとか言うか、聞こえないくらいの音ですね。
バンとかダンなどの俗に言う震脚系の音はありませんし、必要性もない、含み音だけで十分です。
抜き方には鞘の落とし方(鞘成り)や、膝の入り、腰・肩の回転、肘の操作、手首の返しや握り込みの位置等などいろいろある訳ですが、それらを写真や文章で書いても理解はしてくれませんし、まして音は文章にできません((笑))
皆さんも、音に意識してみてはいかがでしょうか。
違う世界が見えるかも知れませんね。
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